さぐりがき

据置ゲーの情熱を取り戻したい男のブログ

『悪魔城ドラキュラX・セレクション月下の夜想曲&血の輪廻』感想

今回はフリープレイに来た悪魔城ドラキュラXセレクション』の感想をば。血の輪廻と月下の夜想曲カップリング移植。特に月下はメトロイドヴァニアの始祖ですし自然と興味が湧いたので雰囲気だけでも触ってみようかと。原作プレイ済みならともかくいまさら二十数年前のゲームをレビューってのも妙な話で、そもそも序盤は攻略見つつのプレイだったので今回はネタバレありの感想という軽い形です。

血の輪廻

まずはさらっと血の輪廻を触ってみたものの、こちらはシンプルな横スクロール面クリア型アクションとあって難しい!純粋なアクションの腕を要求されるのでごまかしが効かないし巻き戻し機能どこでもセーブなどプレイヤーを甘やかすものも存在しないので一面のドラゴンですら倒せねぇ!鞭を使って戦うリヒター・ベルモンドは個人的にすっかりスマブラの人ってイメージですが、やっぱり悪魔城っておっかないタイトルだけあって難しいんだなぁ。

月下の夜想曲

ということで早々に諦めて月下をプレイ。操作するのはまたしてもスマブラの人!…もといリヒター・ベルモンド。のっけからドラキュラ伯爵と対決するクライマックスなオープニングで盛り上げてくれます。ドラキュラ伯爵演じる若本氏の声が若いっすね。ぶるあぁ系じゃなく威厳ある演技だし。

物語はここから4年後。リヒターは謎の失踪を遂げるが、かつてリヒターの祖先ラルフと共闘したアルカードが父ドラキュラの野望を阻止すべく100年に一度復活した悪魔城を訪れるところから始まる。 えー、こっちも序盤は難しいです。まぁゲームの序盤の難しさってのは操作の不慣れさや所持リソースの少なさなどしょうがない部分がある……というかそれを未知に対する好奇心で乗り越えるワクワクこそ楽しい部分だとは思うんですけど。しかし本作はちょっとベクトルが違う形で難しい。

電子説明書が無い。

ちょっと勘弁してくれよコナミさんよおォォ〜。せっかくの移植なのに説明書付いてないってどういうコト!?もしかしたら俺が盛大に見落としてるだけかも知れませんがクリアしても尚それらしきモノは見当たらなかった。 説明書が無いせいで画面上の数字の意味が何もわからん。さすがに画面左上の一番大きい数値は体力って分かるけどハートとゲージはなんなのさ。実は燭台を壊すと出てくるハートは一見体力回復のように見えるがサブウェポンを使うためのリソース。そもそも最初はサブウェポンを方向キー上&攻撃ボタンで出せることさえさえ分からなかった。変な物体の前で方向キー上でセーブできるのも分かりづらいし、画面上の意図が理解できない&序盤特有の難易度の高さと相まって何度も死ぬのは割とストレス。アイテム類は装備しないと使えないのにはだいぶ戸惑いましたが、結局操作方法やらなんやらはネット見て解決しました。まぁ水色のゲージが必殺技や変身時に消費するMP的なモノだって気付いたのはもう少し後だったんですけど。頼むから説明書くらい付けようぜコナミさんよ。

とりあえず雰囲気味わえればいいやって感じだったとはいえ説明書無いせいで出鼻挫かれたのでどこか拗ねてしまって攻略サイトで全体マップ見てセーブ部屋確認したり。だってめんどいんだもん。ともかく序盤は緑色のアーマーが上段下段に連続して斧投げてくるのが厄介で何度も死にました。それはさておき装備していた強武器を死神に奪われる序盤の展開は後々これくらい強くなるんだなって見通しが分かってモチベが保てる良い演出ですね。こうして小さいスクショで見ればこだわりのドット絵も綺麗ですが、実際の画面では結構解像度荒めなのが目に付く。とはいえドットで魅せるアルカードの残像はこだわりを感じるし、窓の外から見える大きな目玉はおどろおどろしく、背景のステンドグラスも立ち位置で見え方が変わって奥行きを感じる。敵のヘビーアーマーが振り回す鉄球と鎖がヌルヌル動くのも見応えありました。 結局一息つけたのは図書館のジジイに会ってから。この人が道具屋なんで色々装備売ってくれます。ありがたいことに悪魔城のおおまかな地図も売ってくれる親切ぶり。これならネットでマップ見る必要なかったな。 戦力的にはシミター手に入れてヒポグリフ倒したあたりでだいぶ安定してきました。本作ボスの攻撃は意外としゃがみで躱せるので隙を見てちょわちょわ攻撃したり。二段ジャンプを手に入れたあたりで行動の幅が広がるので段々楽しくなってくる。 しかし二段ジャンプで辿り着いた先は明らかに場違いなレベル帯。ここ悪魔城最上部の何が辛いって単純な火力の高さもそうだけどメドゥーサの石化が辛い。本作は敵の攻撃を食らうとノックバックされる形で後方に吹き飛ぶのでせっかく昇ったのに最下層まで頻繁に落とされるのが面倒。このノックバック仕様はそこそこの距離吹っ飛ばされるのが厄介でただの平地でも意図せずエリアチェンジさせられるのがダルいっすね。ここのヴィクトリーアーマーも強いんだけど持ってる剣を攻撃すると変なうめき声上げるのには笑っちゃった。

数回挑戦して突破してみるもののこりゃまだまだと再び戦力増強の旅へ。そもそも二段ジャンプ手に入れただけじゃその先へは行けないので更なる魔導器が必要。 地下水脈でスキュラ倒したり闘技場でリヒターが黒幕と判明したりテンポ良く色々詰まってますね。宝石かき集めてなんとか工面してジジイのところで購入したダイアブレストのおかげで道中は意外にもラクラク。けど地下水脈の床が壊れる謎解きと大時計の端の像が時間経過で動く謎解きは分からんかったので早々に攻略見て解決しました。この地下水脈と闘技場のbgmが一番好きだな。 道中手に入れたコウモリの変身能力で崩れた階段を突破して、一度は聖なる力の前に敗れるもリベンジ戦では聖なる胸当てでガッチリガードして無事リヒター討伐。ハッピーエンド。

そして逆さ城へ

これでめでたしめでたし……とは終わらない。まだまだ冒険は続きます。まぁ本作には逆さ城って裏面があること自体は何故か前から知ってたので特に驚きはありませんでしたが。

悪夢にうなされサキュバスと戦ったりコウモリで暗所を突破したり、トゲトラップを踏み荒らすのは冬の霜柱をザクザク踏む感覚と似てて気持ちいい。正直ダイアブレストがあれば防御で困らないし、武器は段階的に強いものがそこかしこに置いてあるのでそこまで苦労はしなかった。 マリアから貰った聖なるメガネで真の黒幕を暴き出し正気に戻るリヒター。本作のビジュアルは耽美系でそこはかとなくBLぽさを感じますが、臭いと呼ぶほどじゃないし荒めのドットでも素直に見惚れる美麗さを感じられるのが好き。マリアがこんな見た目なのに四神使って攻撃してくるのは意外。 で、いよいよ問題の逆さ城ですよ。なんか敵がめっちゃ強い!俺がこれまで頼ってきたダイアブレストをたやすく貫通してダメージ与えてくる。特に雑魚のブルーアルラウネなんかが強敵で、ボスのベルゼブブは割とすぐ挑めるにも関わらずハエ1匹でごっそり体力持ってくふざけた火力の持ち主。一定時間操作不能にしてくるインプや炎をバラ撒くユコバックなど小さくてウザい敵も鬱陶しい。吊り天井やらの新しいギミックや背景の色味も変化してるので思ってたより新鮮に遊べるものの、単純に被弾が痛くてとまどった。逆さなだけあって景色もちゃんと反転してるので慣れないうちはちょっとキモチワルイ。

前半の悪魔城は緩いながらも導線が敷かれてある程度手なりで進める快適さがあったんですが、逆さ城に関しては『好きに遊んでくれていいからよ』とでも言わんばかりの自由度。もう既に探索を広げる基本的な魔導器は手元に揃ってどこにでも行けるぶん大変です。まぁ確かに自由度高いのは嬉しいんですけど、どいつもこいつも敵が強くて身動き取れない感じになってたのは窮屈で遊びにくかったかな。開発者の意図した正解を探るような地道さを求められるというか。当時の攻略本や口コミ、周回プレイを前提とした作りと考えれば合点のいく話で理不尽さは感じませんでしたけどね。 埋めたマップ数に応じて防御が上がるウォークマスターで急場をしのぎつつ、結局あーでもないこーでもないと何度も死につつ総当たりに近い形でマップを駆けずり回ってみれば、着いた先は天井水脈。ここで出現するチュパカブラが落とすブリーシンガメンがマジで強い!防御力+15という破格の性能したアクセサリで地獄に仏とは正にこのこと。偶然ドロップしなけりゃマジでどうやってクリアしたんだろうと思い悩むくらいには強い。近場で拾えるグラムドリングもしっかり終盤まで戦っていける性能でつよつよ。ここが正解かぁ〜ってようやく辿り着いた開放感がありました。 結局その勢いのまま裏ボスらしきガラモスやドラキュラをモリッと討伐、真エンディング。どうもごちそうさまでした。どっちもカッチコチに固めた防御があれば特に苦労はしなかった。ガラモスは本当にHP削れてんのかって不安になるほど打たれ強かったですが足元でしゃがんでチクチク攻撃してたらちょっとパターン入りました。消費アイテムはもったいなくてほぼ使いませんでしたがおやじのいこうとかどんな性能してるんでしょうか。

まとめ

と、今回のプレイはこんな感じ。まあ説明書が無いことに面食らって序盤悪魔城の全体マップと一部の謎解きを不貞腐れたように攻略見たので偉そうなことは言えませんが、RPG要素で遊びやすさに軸足置いた作りが面白かった。逆さ城も延々強敵に悩まされつつ起死回生の装備を見つけて立場が裏返る抑圧と解放が楽しめるバランス。メトロイドヴァニアとして今の今まで多彩なフォロワーが発売されるのもうなづけます。大砲で壁壊したり本棚の裏側に隠し部屋があったり、直近で遊んだブラッドステインドの謎解きのいくつかがセルフオマージュだったと知れたのも収穫かな。 今回雰囲気プレイが目的だったのでクリア後のアイテム収集はやる気が起きないなーと思いつつ、ぶっ壊れで有名なヴァルマンヴェだけはちゃっかりふたつゲットしました。使ってみたら敵が溶けるわ溶けるわやべー武器。剣筋というよりアルカードの前に常に真空の膜が張ってるような攻撃方法で馬鹿みたいに強い!入手方法も簡単だしバランスブレイカーというより救済措置的な面が強いのでこのバランスなのでしょう。作業中のうっかりミスでエリアチェンジしてしまうのが最大の敵、実際一本取り逃がしたのが辛かった。

とりあえず今回はこの辺で。読んで頂きありがとうございました。