さぐりがき

据置ゲーの情熱を取り戻したい男のブログ

『十三機兵防衛圏』ネタバレ感想

例によって考察ではなくただの感想です。いつにも増して乱文なぐりがき。

前回書いたレビューはこちら。
sagurigaki.hatenablog.com






※ネタバレ注意!









※ネタバレ注意!!











※ネタバレ注意!!!









忘れず最初に言いたい。タイトル画面でボタン押すとBGMがクリアになるこの演出グッとくるよね。



いやーよかったですね十三機兵防衛圏。しかし先のレビューでも書きましたが発売前の期待値はそれほど高いわけではありませんでした。いつまで経っても発売されないうえvita版が中止になったりと色々ありましたし。特にいつだったか某氏が愚痴ツイしたのが個人的に割と萎える要因で。詳細は伏せますけど。ああいうのって期待してるこっちとしては地味にキツいっすからね。人間だし不満が出るのはしょうがないですけど。



じゃあそろそろ覚悟してネタバレ感想書くのでマジでクリアしてない人は見ないでね。







公式バレじゃん


これ見た瞬間
お前ら同棲しとったんかい!!!って切れ味鋭くツッコみました。こういうえぇ〜〜〜ってなるサプライズすき。

そしたらなんと(クリアしてから見たんですけど、)公式サイトのキャラ紹介でご丁寧にスクショまであるじゃないですか!これ個人的にネタバレアウトですね。🙅‍♂️🙅‍♀️なんてことしやがるんだ公式よ。公式バレって一番萎えるやつじゃないですか。こーゆーのはゲーム内で初めて見るからサプライズな面白さが楽しいというのに!だけどこの勝負公式サイトすら見なかった疑り深い俺の勝ち。いやー見なくて助かった。

アトラス公式にはP5の世紀末覇者先輩チィーーッスをガッツリネタバレした前科があるので実はずーっと警戒してたんですよ。そしたら案の定またもカマしてきました。まぁ僕はP5の時も上手いことシャットアウトしてたので助かりましたが。こういう公式と自分のネタバレ基準の差を把握しておくってこの情報化社会において結構大切です。ネタバレって人によってだいぶ異なるのでこれからも気を付けような。公式は信頼しても信用するなって昔から言いますもんね。今考えた言葉ですけど。

アトラスには常日頃からキャサリン無印ばりの秘匿したプロモーションを目指してもらいたい。それはそうとエプロンポニテ最高でした!



登場人物とか


薬師寺を初めてプレイした段階で「あれ?芝と猫ってCV同じじゃね。」って早々に気づきました。CVバレってやつです。冬坂=森村なんかは演じ分け上手くて気付かなかったんですけど。まぁそもそも気付いたところでそれが何を意味するか分からなかったためたいした支障にならなかったのが幸いです。井田=網口はたしか元からバレてたというか元より隠すつもりも無い演技っぽいのでそこはノーカンで。


結構BL的な描写もチラホラありました。人によっては媚びた描写かと穿った見方をして敬遠する人もいるでしょうが、僕は鼻につかない上手い塩梅に感じて素直に楽しめました。メインシナリオの幹の太さのおかげでしょうか。まぁ僕はショタ・女装男子・男の娘・メス兄あたりくらいならほぼストライクゾーンなので話がどう転ぼうと最初から気にするほどのことでもないのですが。


特に比治山と沖野のアベック……もといコンビはよかった。常に振り回されまくる比治山と手の平で転がすうちに本気になってしまう沖野。女装がまんざらでもないって聞いたのを俺は忘れないぜ!!!


遊ぶ前と後で一番評価が変わったのはウサミちゃんですね。遊ぶ前はメガネ・三つ編み・デコ丸出しと不人気三拍子揃ったちんちくりんな見た目でキィキィうるさそうだしなんかキツそうだなぁなんて思ってました。そしたら思いのほか素直でかわいかった。赤フレームで未来人なこともあり野暮ったい印象もなく、本気モードの稲葉を抜きにしてもかわいい。井田に好かれたり緒方に好かれたり意外と恋多き女なのも納得です。
緒方が電車で何度も脱出を試みるループ感ある演出はそうだよこれこれって感じあってよかったです。


関ヶ原冬坂のふたりの関係も良かったですね。特に冬坂の乙女な恋の一直線具合が青春フレーバーが香りたつ感じ。瑛くんだけEDだけに登場しないのはなにか意味があったんですかね。次回作あるなら裏切るのはコイツかもなぁなんて思ったり。




鞍部と三浦はいまいち印象薄かったかな〜。相方のなっちゃんがアクティブだからその対比として三浦は生真面目実直な性格でしたし、鞍部はタイトル画面でも中央でメイン主人公ポジ的なもっと分かりやすい活躍するかと思っていたのでそのギャップでいまひとつ物足りなかった感じです。和泉と併せるといい感じに印象が濃くなるんですけど。ベタながら薬師寺にする告白シーンは良かったんですけどね。




純情ユキちゃんとナンパ網口の掛け合いも面白かったです。しかし網口はだれかれ構わずモーションかけるチャラい始末で、ぼくは体験版時点から一貫してなっちゃん押しだったこともあり南鷹宮のコンビのほうも印象に残りました。網口自身はサッパリした性格でいいヤツなんですけど。
ぼく言うまでもなく百合も好きですけど女同士の友情みたいなやつも好きなんですよ。ロマンシスとかシスロマンスとかいうやつ。これ表記揺れで定まらないの検索しにくいのでいい加減なんとかしてほしいわ。


東雲先輩と郷登先輩の関係は密に描かれることはありませんでした。既に一度付き合っているため関係としては落ち着いていた印象です。しかし東雲先輩自身は薬のせいもあってかどこかめんどくさい女だった印象が拭えません。EDだと普通に普通なんですけど。頭痛が酷くなるとクラウドシンクに表示されるキーワードが薬一択になるのは上手い演出だなと思いました。

ちーちゃんかわいい。舌ったらずな演技とモーションが相まった背伸び感がたまりません。


郷登先輩のサッとエスコートするように腕を差し出してスマート抱っことも呼ぶべきモーションめちゃくちゃエモかった。




なんかカップル別に絞って登場人物の印象書こうとしたら妙に薄い文章が出来あがりました。自分で書いてて驚きです。いやもっと印象濃かったと思うんだけどこんなもんだっけ?まぁ本作は13(+α)全員揃ってのものですし、恋愛関係に留まらないそれぞれの青春の交錯が魅力ですからね。僕自身カプ厨的な楽しみ方をしたというよりは全体の群像劇として楽しんだ自覚があります。
にしても男性陣は軒並み女性陣に尻敷かれてそうなのが好印象でした。



機兵・機動!



各キャラクターのEDに到達したら見られる機兵起動シーンには格別のカタルシスがありました。変・身!って感じで。いや変身じゃないですけど。よかった。よかった。ここがすごいよかった。演出のカッコよさだけでなくこれが崩壊編に繋がるのか〜〜って時系列が連結ピッタンコだと見せつけられる気持ちよさに脳汁ほとばしる感じ。これ動画勢の人と実際に遊んだ人じゃ段違いの快感でしょうね。自らキャラを動かし考え辿ってきたならではの達成感がここにある。
全員揃って機兵に乗り込むのではなく、機兵に搭乗したあとで友人も同じ運命だったと知る現地集合めいたシチュエーションも切迫した展開の盛り上がりに一役買ってました。

女の子たちは皆フェチいところに起動マーカーが仕込まれているのでチラリズムが光ります。よくやった魔女っ子ドジっ子眼鏡っ子めぐちゃん。お前の下手な鉄砲のおかげだよ。スピンオフではぜひ魔法少女のコスプレしてくれよな。

EDとか

なんでこれほど恋愛メインの話だったのか物語を読んでる最中はそこそこ疑問だったんですけど、ED迎えて子孫繁栄のためというちゃんとした理由があったのか〜〜ってなりました。




そのシーンでしか使わないであろうモーションも丁寧にしっかり作り込んであるのはさすがでした。購入特典の鞍部の部屋ではドットでしっかり作り込まれながら没になったデータを垣間見ることができ、相当な難産だったことが伺えます。


物語的にはいかにもThe・黒幕みたいなのはいませんでしたね。事件の発端は沖野がサボってダイモス流用して井田がウサミを忘れられず東雲が仕込む、みたいな幾人もの連鎖が大きく広がったパターン。これほどの超未来であっても人の情の持つ力は変わりません。正直細かい認識はふわふわですがおおかたこんな感じでしたよね?まぁ物語の時系列的には既に大量のダイモスに持ち堪えれば勝利なところまできているので、EDの大団円が噛み締めやすいのは助かりました。






にしても一分の隙も残さない大団円っぷりとでも言いましょうか。主人公勢だけでなく全てにたいしてしっかりとした決着を描いてくれたのがありがたかった。


なんかいろいろ


ぼくは全員の進行度を等しくなるようにチマチマ進めながら遊びました。押し寄せる大量の謎が楽しかった反面立ち止まって考えることも多く、物語そのものの没入度としては、常に裏側の構造を意識させられるゆえにどっぷりハマり浸りきる感じではなかったかなと。全体の構造含めるとそこそこハマったと思うんですけど。
うーんなんか分かりづらいなコレ。要は物語にカブりつくように無我夢中に楽しんだわけではなく、どこか俯瞰した視点ですげーすげー感じながら鑑賞してたっていうことが言いたいわけです。


本作って誤解を恐れず言えばありきたりな設定のオンパレードじゃないですか。舞台が地球じゃなかったり超科学文明の発達した人類絶滅後のテラフォーミングだったり。SFに疎い僕でもなにかしら似たような設定見たことあるなぁなんて思いましたし。ループものと思わせつつ実は違ったなんて軽い一捻りはありましたけど。
EDまでにくるんと全てを風呂敷で包みこむタイプの物語のため、もしかしたらあからさまなどんでん返しを期待する人や斬新さ・新規性を重要視して遊ぶ人の中には肩透かしを食らう方もいるかもしれませんね。しかしそこで改めてこれだけは言っておきたい。 この見慣れた王道設定を複雑な演出で昇華しているのが圧倒的で見事だと。
なんでこんなこと言うのかって、だって電ファミの記事がバズったりセガが品薄ツイートしたりとガンガンハードル上がってる感じがあるのであえて言っておきたくて。ここまで分かりやすいバズりかたすると逆張り精神的な斜に構えた気持ちで遊ぶ天邪鬼な人もいるかもしれませんし。一部ではステマなんて言い出す人までいる始末。そんな穿った見方する暇があったらさっさとプレイしろっつーの。
改めて俺は本作の魅力は構造にこそあるんだよってことを言いたい。ひとりでも多くの人が楽しめることを望みます。



いやね、実際前に書いたレビューでもそういうよくある王道設定とか念を押して言及しようかなと思ったんですけどやめました。40年ごとに時代をジャンプするとか具体的なものもなるべく伏せて。だってそういうある程度推測できるワードを盛り込むと楽しさが半減しちゃうかなと思って。なのでレビューでは結局「この物語の構造を楽しんでほしい。」と書くに留めたんです。やっぱり謎を謎として堪能してる瞬間が1番気持ちよくないですか?大量の謎がテンポ早く展開されるおかげで一足跳びにネタバレを知りたくなる焦ったさを覚えることもなく、んほぉ〜〜って脳汁ピュルピュル漏らしながら読み進めることができる楽しさ。この堪能できる過程こそ物語の真髄なり。


物語構造的に『複数の登場人物の運命が収束し一本の巨大なスペクタクルへと変貌する』という形は、ゲームでいうとかの名作428のようではありましたが、ソコに加えて時系列をバラバラにする荒技力技でさらにもう一段押し進めた構成になっているのが見事でしたね。

特に話の締めくくりをto be continuedで次節に繋ぐ盛り上げ方が上手かったですが、そこに加えて面白さを引き立たせていたのが物語のロックの存在。いやシステム的には何も真新しさはないんですけどその要所要所での挟み方、勘所が上手かったなというか。満遍なくプレイさせるおかげでプレイヤーの理解度を一定以上に保つ役目がすばらしい。プレイヤー自身に自由に選ばせつつも実はうまく誘導してるナラティブ感に一役買ってました。設定した人ありがとう。428でも同じ役割演出のkeepoutはありましたけど、十三機兵では登場人物の数も多く時系列はバラバラ本筋の物語が謎に満ちていたためより際立っていた印象です。
そもそも分岐らしい分岐がほとんど存在しない一本道にも関わらず見せ方ひとつでここまでゲームとして成立するものなのかという驚きが第一にありますよね。あえて言うなら登場人物選択が選択肢代わりって感じですけど。

なんかこう色々引き合いに出して書いてますが、勘違いしてほしくないのは序列がどうこう言いたいわけではありません。428は遊んだことない人にも是非遊んでもらいたい名作です。けどスマホ版配信終了しちゃったんですよね。うーんもったいない。当時はの精神的続編ということもあり、その毛色の異なる物語性には驚きましたが。あの街で描かれる人生が擦れ合う感覚も好きなんですよねぇ。tipsも面白いのが揃ってますし。

まとめ

なんか話が逸れ出したのでまとめに入ります。
えー、いつにも増して益のない文章でしたがどんなもんでしょう。とっ散らかり過ぎてて途中で書くのやめようかと思ったけど自分のブログなんでとりあえず載せることにしました。


近年はライフイズストレンジやデトロイトみたいなシステム・シナリオともに凝った傑作ADVが海外から発売されたので、そろそろ和ゲーでもなんか面白いやつやりたいなぁと思っていたところにこうした丁寧な造りのゲームがドカンと出るのはありがたいっすよね。
個人的にADVってなんだかんだ言って日本のお家芸的な印象があります。紙芝居ゲーと揶揄されども美少女ビジュアルノベルは長いこと発売されてますし、このご時世にあれだけ長文を読ませるFGOとかも凄いです。密室謎解きゲームなんかも面白い。

最後になりますが、ヴァニラウェアに中々縁がなかった僕にとって本作を楽しむことができたのは幸運でした。少数精鋭の職人集団といった印象があるのでつい応援したくなりますね。次回作もぜひ頑張ってもらいたい。あ、開発期間はなるべく短めにお願いします。

今回はとりあえずこのへんで。読んで頂きありがとうございました。